2018年日本山岳耐久レースを振り返る【ハセツネCUP】 | 30代投資初心者ランナーの備忘録

2018年日本山岳耐久レースを振り返る【ハセツネCUP】

こんにちは、kentaです。

7から8日にかけて行われたハセツネ、なんとか完走しました。
7日は最高気温31度をマークするなど、季節外れの暑さにトップ選手も含め苦戦した印象です。
自分も暑さにやられ、第一関門の浅間峠でリタイアも考えましたたが意地だけでゴールまで突き進んだ結果です。

ハセツネの公式HPを確認すると、完走率が66.7%とここ5年で一番低い値。
3人に1人がリタイアと考えると、どれだけ厳しいレースであったかは想像できると思います。
暑さに加え、暑さ対策のための水分が重くなり体力を奪ったことも理由に有ると思います。
暑さ対策と水分のバランスは今後も続く課題です。

なんとか完走した2018年のハセツネ。
忘れないうちに振り返りたいと思います。

2018年ハセツネ概要

2018年のハセツネ全体の概要です。

男子優勝:三浦 裕一 7:52:06
女子優勝:高村 貴子 9:29:09(3連覇)
出走者数:2,364人(男子:2,041人 女子:323人)
完走者数:1,577人 66.7%(男子:1,338人 65.6% 女子:239人 74.0%)

いくら暑かろうが、優勝タイムは去年と比較し大きなダウンはなかった結果です。
ただ完走率は2017年の74.1%から大きく7%以上ダウン。
また男子上位100位の平均も過去5年で一番悪くなっています。

過去5年で比較すると、最高気温が25度を越えてくると厳しくなる傾向があります。
5年間で徐々に平均タイムが下がっているのは、気温の上昇に比例しています。
2017年と2018年は比較して6度上昇しており、平均タイムも一気に35分ほど悪化しています。
ロードもトレイルも暑さはタイムに大きな影響を与えます。

ハセツネHPに全結果が掲載されたらもう少し深堀してみようと思います。

自分の結果

偉そうにトップ層のことを書いていますが、自分はどうやってんと。

ゾンビ状態になりながら、なんとか14時間の目標を達成。
スタート15分前に14時間のプラカードに並び、スタートまで約2分弱。
トレイルランニングの大会でこれだけのんびり並んだのは初めてで、かなり新鮮!!
相変わらずサブ10を狙う人の多さに驚くと同時に唖然とする

■START~第一関門 4:20:21
ロードは周りに流れを任せて6分/kmぐらい。
広徳寺への登りから歩く人がちらほら。おいおいおい。大人のモラルはどこへ行った?
広徳寺を抜けてシングルトラックに入るあたりから渋滞にはまる。これが噂の渋滞かと少しテンションが上がる。
発電所へ抜ける下りまで渋滞が続きましたが、大きな渋滞はここだけでしたね。ロスは12~3分ほどか。
昨年は今熊山への登りでオーバーヒートし嘔吐したため、かなり抑え目で周りに合わせて進む。入山峠は75分。

入山峠からは大嫌いな急登・急降の連続。
のはずでしたが、ペースが遅いためそこまできついと感じずに淡々と進むことに。
なんやかんやで市道山分岐まで2時間12分。ここまではまだ余裕。

市道山を通過してすぐに、空腹感を感じ始める。
8時ごろに朝食でおにぎり4つと菓子パンを1つ食べ満足してしまい、それ以降固形物を取らずにスタートしてしまった結果。
急いでジェルを投入するも、第二関門まではずっと空腹感が付きまとう。
この辺りから昨年同様、身体に熱がこもりっぱなしでスピードが出ずほぼほぼ歩き通し。
左のお尻からふともも裏にかけて筋肉に違和感を感じつつ進むも、軍刀利神社への階段で自分の左ひざにはおなじみの腸脛靱帯炎の痛みが。
ここで浅間峠でリタイアを決意。浅間峠にいるであろう知人との会話を想像しながら敗戦処理。50人近くに抜かれる。
なんやかんやとぼとぼ進んで浅間峠に到着。

■第一関門~第二関門 8:26:02(4:05:41)
リタイアをする前に知人を探したがいない。どこをみてもいない。
とりあえず座り込んで腸脛靱帯炎を抑えるためのストレッチ。5分ほど体調や装備を整える。
誰もいないところで黙ってリタイアしても話のネタにもならないので、とりあえず行けるところまでは行こうと再スタート。

昨年同様、日が暮れてくると徐々に涼しくなり徐々に走れるように。
ただ去年と比較し、練習不足のための登りは基本歩いて進む。
出力30~40%をイメージして淡々と進む。無理は禁物。
この辺りから回りに人が少なくなっており、走り続けると意識せずとも離れて行く。
途中、三頭山まで10.9kmの看板を発見し、あーハセツネを走ってるなと謎の納得感を味わう。

勝手なイメージでこの区間は三頭山以外登りがほぼないと思っていたが、以外と登りがありちょいちょい心を折られる。
一番気持ちよく進めたのは西原峠から三頭山の登り口までの3kmほどの区間。30人は抜けた感覚。
三頭山山頂への登りは、自分は山登りマシンだと訳の分からないことを考えながら登る。
なぜか三頭山の標高が1,750mと勘違いしており、山頂手前の避難小屋で1,524mと教えていただき1人でガッツポーズ。
200mほど進んだが水場があったと思い出して戻るも、使えないと非情なお答えをいただく。5分ほどロス。
山頂で7時間16分。14時間切りに黄色信号。

下りは相変わらず段差の大きい木段。
痛みの出ている左ひざに確実にダメージが蓄積していく。ゆっくりゆっくり下る。
途中で前のランナーに追いついてしまいしばらくのランデブー。
シングルトラック・疲労もあり無理に抜くことはしませんが、少しリズムが窮屈になってしまう。

鞘口峠からの急登は何度登ってもイヤになる。
かなり上の方まで視界が広がるので、上にライトが見えると心が簡単に折れる。この辺りで水は残り200mℓ
風張峠から第二関門までのルートはすぐだと思ってましたが、意外と距離があるように感じる。
実際3kmほどだが、水切れや疲労により実際よりかなり長く感じた。
次回以降はロードに出たら第二関門まですぐだ!!という勘違いはやめて水を無駄に消費しないよう気をつける。

■第二関門~第三関門 12:05:24(3:39:22)
水1ℓとポカリ500mℓをいただく。
よせば良いのに、ポカリを一気飲みしてしまう。案の定大岳山の下りの水場まで苦労する
去年同様のミス。来年以降は注意しよう。
ここでも5分ほど腰を下ろしストレッチと装備の準備。
「3:3:4」の割合で14時間切りを目標にした場合の通過タイムは8時間24分なので、かなりリカバリーできた模様。
ここで14時間切りはいけるなと淡く思ったり思わなかったり。

第二関門から100m以上の下りは毎回もったいないと思いつつゆっくりくだる。
ここから惣岳山・御前山へのアタックが開始されますが、そこに行くまでの小さなアップダウンで思いの他削られる。
またここで自分の勝手な勘違いで、惣岳山は1,250mと勘違いしており、出てくるはずの無い山頂に着かない着かないと1人でイライラ。
惣岳山山頂に着いた時には燃え尽きた感満載で、御前山への登りは全て歩き。コースを把握することの大事さを学ぶ。

三頭山の下り同様に大きな段差で足を削られる。
前を走るランナーのうまい下り方にショックをうける。本当に一瞬で置いていかれる。下りの練習をしないといけない。
下りってから大ダワまでの複数回のアップダウンも地味にくる。コースで休んでいるランナーも増えてくる。
大ダワ到着した時点で水分が700mℓ残っていたが、口直しの水をケチってジェルを2個一気に摂取してしいま吐き気に襲われる。
10分ほどむかむかするも気にしない振りをし進んでいくうちに収まる。レース後半での複数個のジェル補給はやめようと誓う。

大ダワから大岳山までは3km程度しかないが、大ダワからの登りで心を折られた。このレースで一番心を折られた。
緊張の糸が切れてしまい、水を一気に300mℓほど消化してしまい水のコントロールが難しくなる。
大ダワからの登りを越えてしまうとしばらくは平坦な道が続いたため、自分の短慮な行動を早くも後悔する。

大岳山への登りの途中の鎖場で例年オールスポーツさんが撮影してくれているので楽しみにしていたが今年は無かった。ちょっと残念。
大岳山は登りはきついが距離が短いので意外とあっさり攻略できる。が、下りはハセツネの中で一番厳しい区間のひとつ。
ここが自分にとっては一番の鬼門で、全く持ってスピードをもって下れない。これは練習がどうとかじゃなく、命の危険を感じる怖さのため。
大岳山神社まではかなりゆっくりなペースで下る。ちなみにこの神社の石段は2015年にヘッドスライディングをかました因縁の場所。

ここまでくれば水場まで3kmもない!!と意気込んで走り出したら、神社をでて200mも行かずに新たな水場が。
過去に参加した時には無かった水場で、並びながら前後に人と話すとやはり無かったとのこと。今年は枯れてなかったのか。
1ℓを補給して、またもや500mℓを一気飲み。反省しない人間だ。
少し進んで元々補給する予定でいた水場でさらに1.5ℓを補給し最後の追い込みに備える。

■第三関門~FINSH 13:41:51(1:36:27)
第三関門のボランティアのみなさんの応援で「男前ダッシュ」なるものをかましてしまい、一気に息切れ。無茶はダメ。
ここで14時間切りまで約2時間を使え、ほぼ達成を確信する。あとは左ひざの痛みが悪化しないことを祈る。
腰を掛けられる椅子などを見つけるたびにお尻のストレッチ。このストレッチのおかげか左ひざに痛みはあるが走れないまではない。
第三関門から日の出山までは淡々と30%のイメージで進む。もう40%も出せない。

日の出山山頂、夜景がめちゃくちゃ綺麗で意味も無く泣きそうになる。30歳を越えて確実に涙腺がゆるくなった。
日の出山から金比羅尾根への下りの木段で左ひざが悲鳴を上げる。あ、終わった。

金比羅尾根に入る前に悪足掻きでお尻のストレッチ。
痛みが引かなかったため、走ることをあきらめスピードハイクで金比羅尾根を下っていく。
10人程度に抜かれたか。昨年のふがいない走りを思い出す。

悔いを残したくないので、恐る恐る走ってみる。あれ?痛くない。
残りは7km程度、痛くないのであれば出し切る。どれだけのスピードを出せば痛みがでるか分からない中さぐりさぐりにスピードを上げる。
あ、これは押し切れる。感覚でそう確信して痛みが出る前にゴールしてしまえばいいんやと開き直り。
昔読んだマンガの、「痛みは脳で作られる」という言葉を思い出す。痛くないと思えば痛くない。

9分→8分→7分→6分→5分半、進むたびにペースが上がる。ハセツネの終わりを告げる橋を通過する。
この5kmほどで抜いたランナーは20人はいたと思おう。久しぶりにゾーンに入った感覚。上りが下りに感じた。
地面がコンクリートに変わり始め、ゴールまであと少し。2kmほど追いかけてきているランナーがいたのでもう一回スピードを上げて振り切る。
高いレベルの争いではないが、ゴール手前で負けたくない。久しぶりのヒリヒリする感覚に喜びを覚えつつゴールラインを通過。

今までで一番のガッツポーズをしながらゴールしたと思う。
オールスポーツが楽しみ。今年のゴールの写真は購入すると思う。

良かった点・悪かった点

自分語りの振り返りはここまでにして、こにハセツネの良かった点とわるかった点。
3回目の参加ですが、やはり色々な点に気がつきます。

■良かった点
・腸脛靱帯炎の痛みのコントロール
・水分補給のコントロール
・金比羅尾根をしっかり追い込めたところ
■悪かった点
・第一関門までの走り方
・水分補給のコントロール
・コースの把握不足

今回最大の良かった点は腸脛靱帯炎の痛みをコントロールできたこと。
以前お世話になった整形外科の先生から教わったお尻のストレッチが非常に効果的であったことが実体験できたのは非常に大きいです。
これまでは腸脛靱帯炎の痛みがでたら諦めていましたが、今後は痛くなる前にストレッチを行うなどし対応をしていければと思います。
金比羅尾根をしっかり追い込めたのも痛みが出なかったおかげです。

悪かった点は、昨年同様に第一関門までの走り方ができなかったこと。
今年は去年と比較し、かなり抑えて入りましたが醍醐丸前後からフラフラになってしまいました。
これは練習でどうこうなるものだとは思いませんが、どうにかしないと今後も同じことを繰り返すのが目に見えています。
基礎体力を向上させて押し切るか、暑熱馴化の対策をとらなければいけません。今後の大きな課題です。

水分補給のコントロールは良かった点もあり悪かった点もありました。
意識がはっきりしている内は無駄に消化しないように心がけ節制できましたが、気持ちが切れたときに衝動的に取ってしまうことが数回ありました。
これはかなり水分の運用に支障がでるので、我慢を覚えることを努力します。

コースの把握などが当たり前のことです。
今回は三頭山の標高を勘違いしていて得した感覚もありましたが、基本的にはあかんこと。
次回以降でるレースは最低でも、最高地点や大きなピークの標高ぐらいは頭に叩き込んで挑みます。

おわりに

今回のハセツネは過去ワーストタイムでしたが、今までのレースで一番納得感のあるレースでもありました。
本格的な練習を8月に再開して約2ヶ月でここまでこれたのは大きな収穫です。
全体を通してビルドアップで走れており、各関門で498位→293位→224位→198位とジャンプアップ。
目標にしていた13時間30分には届きませんでしたが、14時間を切れたことに大きな満足感を感じています。

「3:3:4」の黄金比から見ると「3.16:3:3.84」と第一区間までの遅れを最後で回収した結果。
でも自分で撃沈したと感じてた第一区間までのペースも、全体的に見るとそこまで悪くなかったんだなと。
来年に向けて練習を積み、再度サブ10を達成し夢のサブ9への挑戦に挑みたいと思います。

さてこの1週間はランオフだ!!

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